東日本大震災から、早いもので12年となる。
私は九州に住んでいるので、2016年にあった熊本地震の方が体感で怖かったのだが、3.11は忘れられない。
12年前の地震があった3月11日、私は何をしていたのか綺麗に覚えているんだが、ほとんどの日本人がそうじゃないかと思っている。
当時、普通に仕事中で、船に乗っていたこともあり、地震があったことも知らなかった。
しかし、一緒に乗っていたおじさんがたまたま岩手県出身だったことで、心配した他の船からの無線連絡で大地震の発生を知ったのである。
当時は、船員全員がまだガラケーだったため、情報収集がしょぼかった。
「結構大きな地震があったらしいですよ」などと言いながら、遠方から来ているお客さんがいるかもしれないと思い、一応船内放送をしたのを覚えている。
津波警報が出ているらしかったけど、自船は震源地からは遠く離れていたため、(岩手県出身のおじさんも含めて)どこかのんびりしていたと思う。
それが営業終了後、事務所の全員が釘付けになっていたテレビを、一緒に覗き込んでビックリした。
「え?これ日本??」「生中継??」「映画とかじゃなくて??」
見ている映像が現実に起こっていることとは信じられなかったが、その場にいた全員が、そうだったに違いない。
正直に言って、日本ではない、どこか違う国で起こっている出来事のように感じた。
それからしばらくはテレビをつける度に涙が出てくるし、人生で初めて諭吉さん数人を募金に送り出した。
あれから12年経った今、遠く離れて暮らす私ですら当時の映像を見れば涙が出てくる。
被災された皆さんは、想像を絶する苦労をされたことだろう。
心からのお見舞いを申し上げる。
犠牲になった人たちのご冥福もお祈りしたい。
最近では、トルコの大地震にもあったように、人の命というのはあっけなく終わるものなのだなと思う。
平凡な毎日の、なんとありがたいことか。
今日も普通に船に乗っていたが、陸上から微かに聞こえてくるサイレンに、そんなことを思った。
いつか、被災地に行って、津波が来た場所を自分の目で見てみたいと思っている、えみ子さんなのであった。
ではでは。
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