無職だった1年間、一人旅に行った以外は、ほとんどの時間を子供部屋で過ごした(と思われる)、ワタクシ。
そのような生活を送っていると、全くと言って良いほど面白い事件は起こらない。
悪い事件も起こらないけど( ̄Д ̄)ノ
が、再び働き始めると、威圧的な上司におったまげたり、若い師匠とのやりとりに苦戦したり、数回しか会っていない他のトラックドライバーの方から焼肉に誘われたりと、毎日が(地味な)事件だらけ。
良いことばかりではないし、疲れるけど、これもまた時間が経てば良い思い出になるのではなかろうか。
あの時、私は頑張った!!と、笑い話にできる日が。
私が今まで生きてきた中で、一番想定外な出来事だったと思うのは、コンビニ強盗との遭遇である。
あれはまだ、就職して間もない20代前半の頃。随分と昔の話になるが、あまりにもおったまげた出来事だったので、昨日のことのように思い出すことができる。
当時、乗っていた船の出港が朝早かったため、6時ちょっと前に家を出た、ワタクシ。
車に乗って少し走ったところで、一生懸命に走っている若い男子2人組とすれ違った。
しかも、ランニングをするような爽やかな2人組ではなく、どっちかと言うとちょっとヤンキー風な2人組。
こんなに朝早くに不健康そうな2人が、健康的に走っている2人を見て、なんとなく違和感を感じ、「?」と思いながら運転していると、今度は少し遅れてファミリーマートの制服を着た若い男子が物凄い必死な顔をして走ってきた。
今日はこんな朝っぱらからマラソン大会でもやっているのかしら?なんて思ったが、私は仕事に行かなければならないので、そのまま素通り。
一旦停止のある場所で、車を止めて「右よし、左よし」と左右の確認をし、車を走らせようと思ったその時、すれ違ったはずのコンビニ店員が窓をドンドン叩き、勝手に助手席のドアを開けたと思ったら、なんと、これまた勝手に乗ってき来て、「コンビニ強盗です!!追いかけてください!!」とな。
はっ!??((((;゚Д゚)))))))
びっくりしすぎてポカーンとなった私であったが、「あの2人組です!早く!!」と言うコンビニ店員の勢いに押されて車をUターン。
強盗2人組は随分を前を走っていたが、流石に車ではすぐに追いつくことができ、2人組が近くのアパートの一室に入っていくところを見た。
車の中で、初対面の2人は「どうする?」「あのアパートに住んでいるのかな?」「ピンポンしちゃう?」「いやいや、怖そうな人だったから、それは危ない」「それに窓から逃げ出すかも」という謎の話合い。
が、結局、警察を呼んでそれまで見張っておくという結論に。
そして、警察が到着するのを待っている間に、我に返った。
私には仕事があるじゃん!!( ゚д゚) スデニチコクカクテイ
とにかく会社に連絡しないと!と思ったのだが、そんな時に限って携帯電話を忘れるという、痛恨のミス。
運良く(?)強盗2人組のアパートから、私が住んでいるアパートまで距離が近かった為、とにかくコンビニ店員と電話番号を教え合い(ナンパ目的ではない)、車を彼に託し、携帯電話を取りに家まで猛ダッシュした。
今思えば、知らない人に自分の車を貸して、事故でも起こされたらたまったものではないと思うのだが、当時の私は「出港時間に間に合わなかったら、コロされる!」と本気で思っていたのである。
自宅に戻り、携帯電話で会社に「コンビニ強盗を追いかけてて遅刻します!」と正直に伝えたのだが、電話の向こうで漂う「お前、もっとまともな言い訳を考えられなかったのか」感。
気持ちはワカる( ̄Д ̄)ノ
が、大パニックになっていた為、上手く説明できないし、言えば言うほど嘘っぽくなっていく(と、自分でも思った)ので、とにかく「出航時間までには絶対行きますので!!」と言って電話を切った。
電話を切った後、次は強盗があったコンビニまで猛ダッシュ。
おそらく、強盗2人組より、コンビニ店員より、車で出勤したはずの私が一番距離を走ったであろう。
Why!?( ;∀;)
コンビニに到着すると、店内で他の店員さん達がザワついていたのだが、事情を説明するとタクシーを呼んでくれて、無事に会社に向かうことが出来た。
出港には、(本当に)ギリギリセーフ。
本来なら、下っ端の私がやるはずの朝の点検やら雑務を、全部船長任せにしてしまったが、お咎めナッシング。
なぜなら、あの後、到着した警察に強盗2人組はちゃんと捕まったらしく、会社にコンビニの偉い人が菓子折りを持ってお礼に来たり、警察の人が事情を聞きに来たりしたからである。
あの時は、なんで私がこんな目に!と思ったが、今となってはいい思い出。
やっぱり面白いこと(?)って、家の外でしか起こらないんだなぁと思う。
部屋に引きこもっていると、確かに平和だし、お金も使わなくて済むが、最近はなるべく外出するように心がけている。
(色々あるが)働き始めるのは、やっぱり外に出るいいきっかけなのである。
ちなみに、電話番号を交換したコンビニ店員とは、その後も連絡を取り合っていた。(結果的にナンパ?)
年齢が近かったこともあり、正直、これは運命の出会いなのでは・・・!?と思ったりしたのだが、彼はまだ大学生だったし、私は仕事で忙しかったので、その後は自然消滅。
強盗2人組を追いかけている時は謎の一体感に包まれ、気分は(かなり盛って)映画「スピード」のキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックであったのに、残念である。
昔から、恋のチャンスは逃しがちな、えみ子さんなのであった。
ではでは。
コメント
あらードラマチック。
そして,20年後ふとしたタイミングで彼から電話が。
「あ、なんか今までこの番号消しそびれてて…
元気ですか?」
で始まる第二章😁
にゃんたさん
いいですね。そういう想像大好きです。
第二章希望!!(念)
すごい体験をされたんですねー!
読んでいて手に汗を握りました。
強盗も捕まったし、えみ子さんも仕事に間に合ったし、良かったですね。
今思えばこういうのも人生における財産かも知れません。
マンゲンサイさん
最近は、人生は思い出作りだと思うようにしています。
トラブルはスパイス。笑