人間関係って本当に難しい。赤の他人なら縁を切ってしまえばそれまでだが、親子ともなるとそうはいかない。
子供の頃にこじれた親子関係が、大人になった今でも、そのままずっと続いている人は多いんではないだろうか。
まさに、私。
年老いていく親との関係をそのままにしていいのか。このまま親が先に死んだ時、後悔しないか。
コロナの間にそんなことを考えた私は、親と歩み寄る決意をした。そのために意識したのが、親を面白がるということ。
てっちゃん
親子関係と言っても、私と上手くいってなかったのは、70を過ぎた父親の方。
私の父親は、みんなから“てっちゃん”と呼ばれている。このてっちゃん、愛想はいいので他人には無害である。
しかし、このてっちゃんの最大の特徴は、『ドケチ』であるといこと。家族はたまったものじゃない。
必要なものには使うとかでもなく、ただひたすらお金を使いたくない人。学生の頃は、制服代、参考書や試験を受けに行くお金を出すのも渋った。いや、最終的には出してくれるんだが、お金の話をすると鬼の形相になる。
そしてできるだけお金を請求されないように、娘たちとも積極的に関わろうとしなかった。そんなてっちゃんは、10代の頃の自分にとっては宇宙人。ほとんど口を利くこともなくなったのである。
関係悪化
私が働き出したタイミングで、妹が専門学校に進学。さらにてっちゃんのお財布の紐は堅くなった。
私が船に乗っていなかったら、てっちゃんはどうするつもりだったのか。普通だったら学校を卒業したばかりの女子が、金銭的援助なんか出来ないですよ。
てっちゃんはダンマリを決め込み、妹の引っ越しも全く関わらず。私がレンタカーを借りて奮闘ですよ。( ;∀;)オッキナクルマコワカッタ
引越しの全てが終わったタイミングで、「してあげたかったけどね〜」などと笑顔で言う。そう、お金さえ絡まなければ、愛想のいいおじさん。
そんなこんなで私はブチ切れ、10年間は極力関係を持たない暗黒の親子関係が続いたのである。他にも色々あったのよ。
関係改善
ほとんど口も利かない関係が長く続いて、それでもいいと思っていた私だが、コロナで考えが変わった。
私に何か起こらない限りは、確実に親の方が先に天に召される。( ̄Д ̄)ノ
しかも人って天に召されると、良い人になってしまうことがある。その時に罪悪感に苛まれたりしないのか。そんな事を何度も自問自答した。
多分、後悔する。そう思った私は、コロナで2年ぶりの実家で、てっちゃんに自分から話しかけてみた。
そうすると、意外にも普通に話せる。そう、てっちゃんはお金さえ絡まなければ、愛想のいいおじさん。いや、もうおじいさん。
歳を取って、てっちゃんが変わったのかと思ったけど違った。
こんなことがあった。てっちゃんは、姪っ子甥っ子のための高級お菓子を、隠れて食べた。(てっちゃんはドケチな上に、食いしん坊)
「じぃじが僕のお菓子食べたぁ〜」。゚(゚´Д`゚)゚。
ってなっている孫に対して「100円あげるから許して」だと。
100円で買えるお菓子じゃなかったので、ふざけてんのか?と思ったけど、てっちゃんは大真面目。
歳のいったおじさんは、簡単に変わらない。
しかし、その変わらない人にイライラした方が損。てっちゃんウケる〜と思ってた方が、精神衛生上にも良いと、気が付いた。
てっちゃんのことは今でも宇宙人に見えるが、父親ではなく一人の面白キャラとして見ることで、ギスギスした関係ではなくなったような気がする。
とりあえず、後悔しないように努力はできたので良かったと思えた、えみ子さんであった。
ではでは。
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