船乗りが、海の怖さをお知らせ

出来事
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昨日は早く寝ようと思っていたのに、夜中の1時くらいに地震速報のアラームが鳴り響いた。

こういう時に一人って、本当に嫌。ものすごい緊張感に包まれて、完全に目が覚めた。幸いにも私の住んでいる場所は、たいした揺れではなかったが。

地震とセットで怖いのが、津波。

私は九州の人間なので、東日本大震災をテレビでしか知らないが、海の怖さは知っている。なんせ私は、船に乗り続けて20年以上。

そんな私の、海の怖さを知った時の出来事を。

海技免状の資格を取るために、学校の船で約3ヶ月の遠洋実習に行っていたのだが、実習中にはマグロの延縄漁をする。これが地獄の過酷さで、○ぬかと思った( ̄Д ̄)ノ

漁の最中は、取れたマグロを引き上げやすいように、船の一部を海面スレスレまで開けておく。普段はそこから海水が入ってくることはない。一応、船だし。

それがある時、クジラが掛かったかなにかで船が大きく傾いた。と、同時に普段は入って来ないはずの海水が、一気に船のデッキに流れ込んできたのである。ドバーッと( ;∀;)

「危ない!!」と、誰かが叫んだのは聞こえた。

そして一斉に他の生徒や、船員さんたちが、作業台やら階段に上る姿も見た。

しかし、たまたまデッキのど真ん中で作業をしていた私と、船員さん一名は、完全に逃げ遅れ。自分でも「これはまずい」と思ったのだが、あっという間に流された。

その時は、膝より下の、20〜30センチくらいの海水の高さだったが、全く立っていられない。船員さんと一緒に、反対側の壁に叩きつけられたのである。

なんせ私は生徒で、唯一の女性。その後は先生や船員さんが、慌てて私のところに駆け寄ってきた。

何が起こったのか。ボーゼンとしている私に「大丈夫か!?」と、心配する皆さん。マグロ用のでっかい針や、ノコギリも一緒に流されていたので、刺さってないか心配したらしい。(後から聞いた話によると)

ずぶ濡れになったが、足にアザを作っただけで済んだ。ヘルメットや救命胴衣を着けてたので、それらに守られたと思われる。(救命胴衣は浮く為だけのものではないことを、そこで知る。)

ちなみに一緒に流された船員さんは、私よりひどく打ちつけられたのに「誰も俺のところに駆け寄って来てくれなかった・・・」と、ボヤいておりました。( ̄▽ ̄;)

とまあ、こんなことがあって『たかが20〜30センチ程の高さであっても、海水が押し寄せたら人は立ってられない』ことを、身をもって知っている。

普通の波は『寄せては返す』ことを繰り返すが、津波は『押し寄せ続ける』

これを頭の片隅に置いておき、テレビで津波注意報が出た時は、海に近づかない。たとえ1m以下であっても、ショボイことはない。

今日こそはゆっくり眠りたい・・・。地震速報のアラームなんか鳴りませんよーに!

1週間くらいは、余震気をつけた方がいいって言ってたし。皆様もお気をつけください。

ではでは。

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